美容師とですから少しくらいハサミにはこだわりがあります。
手に馴染み、思い通りに動かせるハサミを使うことで仕事のクオリティは必ず上がります。
よく切れるのは当たり前。
ひとくちに切れると言っても、ジョキッとかサクッとかスッとか、ハサミによって様々な切れ味があります。(美容師にしかわからないかな…)
これはあくまで感覚的なものですが、この切れ味が好みでないハサミはとても使いにくく、仕事がスムーズに運びません。
だからハサミを新調するときは慎重に選びます(笑)
切れ味だけでなく、手にした感触、重さ刃の長さなど美容師の数だけ好みがあるのではないでしょうか?
自分は刃が長めでパワーのあるものが好みです。
それでいて切れ味は繊細で柔らかな感触なもの。
このハサミを買うときに、ハサミ屋さんにロングシザーが欲しいと相談すると3本紹介してくれました。
まあ言ってしまえば松竹梅的な。
当たり前ですが、切れ味も材質も一番高いものが良いわけです。
一般的には。
金の斧と銀の斧と普通の斧では、値段だけでなく切れ味も違うと。
でも実際にハサミを手にして試し切りしてみると、自分には銀の斧的なハサミがよく切れるように感じるのです。
正確には金の斧的なハサミの切れ味が自分好みでなかったのです。
ラッキー(笑)
ハサミというのは高い材質のものほど、加工も難しく機械を使って科学的に計算されたように刃付けされます。
しかし、最後の仕上げはハサミ職人さんの手作業により細かな調整がされて完成するのです。
どうやら僕は銀の斧的なハサミを作った職人さんの仕上げが好みのようです。
頭ではこれが欲しいとわかっているのに、安い買い物ではないのでふんぎりがつかず決め切れずにいると…
ハサミ屋さんが
『ハサミ職人さんは金属をずっと削ってるから、削りカスを吸い込んで肺ガンで亡くなる人が多いんですよね〜。この職人さんも年齢的に後何本ハサミ作れるかどうか…』
買います!
鼻息荒めで決断したのでした。
こんなやりとりがあったって職人さんが知っているとは思いませんが、縁あって自分のところにきたお気に入りのハサミです。
他にもハサミはありますが、ほとんどこのハサミで仕事します。
僕の仕事に欠かせない大切な道具です。
あっ、ちなみにこのハサミが来て数年経ちますが、ハサミ職人さんは多分今も元気です(爆)