あなたは美容院で髪型のオーダーをするとき、写真を見せますか?
もしかするとモデルさんと顔も違うし「写真見せるの恥ずかしい」なんて思ってるかもしれません。
でも安心してください。
スマホの画像やヘアカタログの写真を見せていただける方って意外に多いですよ!
髪の毛を切る美容師の立場からしても、やりたいヘアスタイルが決まっているなら写真を見せていただける方がやりやすいんですよ。
だから、もしやりやいヘアスタイルの写真があったら是非美容師に見せてくださいね。
なりたいヘアスタイルを実現するためには、お客様と美容師のビジュアルの共有が不可欠です。
どんなに詳細を話しても、百聞は一見に如かずなんです!
是非恥ずかしがらずに僕たちにイメージを見せてくださいね。
どんな写真を見せればいいの?
ヘアカタログの写真のようにフロント・サイド・バックとヘアスタイルの分かりやすく写真が用意されていれば最高なのですが、雑誌に出ているモデルさんの写真や、タレントさん・女優さんの写真の場合は必ずしもヘアスタイルにクローズアップしている写真がないことも多いと思います。
もしかしたらお友達のヘアスタイルが素敵で同じ髪型にしたくて写真を撮らせてもらうこともあるかもしれません。
そんな時はできるだけ美容師が欲しい情報がわかりやすい写真を選んでもらえると、美容師はイメージをつかみやすいです。
僕の場合は、写真のヘアスタイルを再現するにあたって大切にしている3つの観察ポイントがあります。
- アウトライン
- シルエット
- 顔周り(前髪)のデザイン
この3つがわかるような写真であれば、ヘアカタログの写真でなくてもイメージはつかめますので大丈夫です。
では僕がこの3つのポイントを観察して、どのようにヘアスタイル分析しているのか簡単に説明していきます。
1.アウトライン
そのスタイルがどんな長さなのかを見ることはとても重要ですし、お客様も気になるポイントです。
ただ何センチに切るのではなくて、体や顔のパーツに対してどのあたりにアウトラインの毛先が落ちているのかを観察します。
上の写真の黄色い線の部分に注目します。
これを参考にアウトラインの長さ、角度、重さを決めます。
今回のモデルさんの場合でいえば、緩いウェーブになっているのも考慮して少し長めで胸下の長さに設定します。
サイドの長さとバックの長さが、ほぼ同じ長さなのでアウトラインはごく緩やかな前上がりで切りましょう。
量感はアウトラインに透け感が出る程度の重軽バランスで調整します。
こんな感じでアウトラインの構成を見立てていきます。
2.シルエット
ヘアスタイル全体のシルエットを見ていきます。
フラットなシルエットなのか?
丸いシルエットなのか?
ひし形なのか?
シルエットが変わればレイヤーなどの入れ方や長さ設定が変わってきます。
このモデルさんスタイルは、赤いラインのようなフラットでIラインのシルエットなのでレイヤーはほとんど入ってないと想像できます。
シルエットの観察と合わせて、表面の髪の毛の長さのおおよその落ちる位置を見て、どの長さでカットすればいいか設定します。
この写真の黄色い波線部分が表面の髪の毛です。
やはりアウトラインとほぼ同じ長さでカットしてあるようです。
3.顔周り(前髪)のデザイン
似合わせの重要ポイントでもある顔周りのデザインを見ていきます。
- 前髪の有り無し
- 前髪の長さ
- 前髪の厚み
- 前髪の軽さ
- 顔周りのレイヤーの入れ具合
この辺りをしっかり観察します。
この写真の黄色い部分が前髪セクションです。
厚めに奥行きのある前髪のセクションをとりながら、自然なレイヤーの軽さで斜めに流しています。
赤い部分がフェイスラインの髪の毛ですが、今回はバックのレイヤー同様レイヤーはほとんど入れずにカットしてあるようです。
このように3つのポイントを意識して見ていくことで、カットの設計図が出来上がります。
今回の場合
- 胸下ラインで緩やかな前上がりのアウトラインを作る
- 表面に出てくるコーナーを落とす程度に重ためのレイヤーを入れる
- 前髪のセクションをとり、目の上で斜めに流れるように前髪を作る
ざっくりというとこんな感じです。
カットをする前にこのようなイメージをしっかりと持っていれば、あとはイメージとのズレを確認しながら切るだけです。
カットが始まってからは「どうやって切ろうかな?」みたいに切り方を一切考えなくていいようにすることが大事です。
切り方に注意が行くと肝心な似合わせに目が行き届きにくくなるので、頭の中にしっかりと設計図を作り、カット中はお客様に今切っているヘアスタイルが、どうやったらもっと馴染んでいくかを考えています。
今回はロングヘアのモデルさんで説明していきましたが、近々ショートかボブのモデルさんでも分析していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。